「老犬になっても散歩は必要?」
「散歩をさせるなら、時間はどれくらい?」
このように、シニア期を迎えた愛犬の散歩で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、このようなお悩みを解決するワン。
- 老犬の散歩時間
- 老犬を散歩させるメリット
- 老犬の散歩の仕方【夏・冬】
- 老犬の散歩で押さえておくべきポイント
- 補助が必要な場合の対処
- 散歩に行きたがらない場合の対処
老犬の散歩時間ってどれくらい?
犬も人間と同じで、体力や健康を維持するために適度な運動が必要です。
老犬になると若いころに比べて体力は衰えますが、できる限り散歩に連れて行くようにしましょう。
- 1回の散歩時間は10分程度
- 頻度は1日1〜2回が目安
若いころは30分や1時間と歩けていた犬も、シニア期を迎えると筋力が衰えて疲れやすくなります。
無理に歩かせると散歩を嫌ってしまう可能性もあるため、老犬の散歩時間は1回10分程度を目安におこなうと良いでしょう。
頻度は1日1〜2回に分けておこなうのがおすすめです。
3回やそれ以上だと、そのたびにハーネスを装着したり、洋服を着させたりして老犬にとっては大きな負担となってしまうかもしれません。
もちろん上記でお伝えした散歩時間や頻度はあくまでも目安なので、愛犬の体調に合わせて判断してください。
老犬を散歩させる4つのメリット
老犬になると、筋力や関節機能が衰えるほか、認知症のリスクも高くなります。
健康を維持するためには、やはり散歩が基本といえるでしょう。
老犬を散歩させることで得られるメリットは以下のとおりです。
- 脳の活性化が期待できる
- 筋力の低下を防げる
- 肥満を防げる
- 睡眠の質が上がる
1つずつ解説します。
脳の活性化が期待できる
老犬を散歩させる1つ目のメリットは、脳の活性化が期待できることです。
足腰が衰えると散歩への関心が薄れ、寝ている時間が増えていくでしょう。
とはいえ、家の中で寝させてばかりいると認知症のリスクを高めてしまいます。
認知症を防ぐためにも、脳に程よい刺激を与えることが大切です。
散歩に連れ出すことで、外でしか感じられない音やにおいが 刺激となり、脳の健康を維持することにつながります。
筋力の低下を防げる
老犬を散歩させる2つ目のメリットは、筋力の低下を防げることです。
年齢とともに筋力や関節機能が衰えるのは自然なことですが、散歩や運動をやめてしまうと老化はどんどん早まります。
自力で立ったり歩いたりできなくなり、最終的には寝たきり状態になってしまう可能性も高くなるでしょう。
筋力を維持し、関節を柔軟に保つためにも、適度な運動は不可欠です。
足腰が衰えたからといって散歩をやめるのではなく、無理のない範囲で外に連れ出してあげましょう。
肥満を防げる
老犬を散歩させる3つ目のメリットは、肥満を防げることです。
運動量が減っても食事量が変わらなければ、太りやすくなる傾向にあります。
「万病のもと」といわれる肥満は、さまざまな病気を引き起こす可能性が高いです。
肥満になると散歩を嫌がるようになり、さらに筋肉が低下するという悪循環に陥ります。
また、肥満と診断されてから食事量を減らしたり、運動量を増やしたりするのは、老犬にとっても大きなストレスになるでしょう。
肥満を防ぐためには、適度な運動が必要です。
睡眠の質が上がる
シニア犬を散歩させる4つ目のメリットは、睡眠の質が上がることです。
年齢を重ねると昼間の睡眠時間が多くなり、昼夜逆転となるケースがあります。
生活リズムを崩さないためにも、昼間にしっかりと体を動かして睡眠の質を上げることが大切です。
また、散歩は単なる運動目的だけでなく、気分転換やストレス発散のためでもあります。
老犬はストレスに弱い傾向にあり、食欲不振や無駄吠えといったさまざまな問題行動を起こす可能性もあるのです。
【夏・冬】老犬の散歩の仕方
特に暑さが厳しい夏と、寒さが厳しい冬の散歩には注意が必要です。
ここでは、老犬の散歩の仕方を夏と冬に分けて解説します。
夏の散歩
犬は本来、暑さを感じると舌を出して唾液を蒸発させ、冷却効果によって体温を下げています。
しかし、体温調整の機能が衰える老犬にとって、夏の散歩は非常に危険です。
熱中症を防ぐためにも、気温が30度を超える日中は屋外での運動は避けるようにしましょう。
散歩のベストな時間帯は、早朝の5:30〜6:00ごろです。
中には気温が下がる夜に散歩をさせる飼い主もいますが、老犬の場合は視力や聴力が衰える傾向にあるため、夜の散歩は大きなストレスとなります。
事故やトラブルを起こさないためにも、朝の明るい時間帯に出かけるのがおすすめです。
冬の散歩
犬はたくさんの被毛が体に生えていることから、寒さに比較的強いといわれています。
ただし、子犬や老犬、小さいころから室内で飼育されている犬などは寒さに弱い傾向があるため、冬に散歩させる際には防寒対策が必要です。
防寒用として作られた服を着させて冷えから守ることで、体への負担を軽減できます。
心臓がある胸のあたりや関節をあたたかくすると良いワン。
冬に散歩させる際は、室内外の温度差にも気をつけましょう。
暖かい部屋から急に寒い場所へ連れ出すと、心臓や気管に負担をかけてしまいます。
負担を軽減させるためにも、玄関などで外気温に少しずつ慣らしてから外へ出かけるようにすると良いです。
冬の散歩は、朝や夕方の冷え込む時間帯を避け、なるべく暖かい日中におこないましょう。
老犬の散歩で押さえておくべき5つのポイント
犬はシニア期を迎えると体力や感覚機能が衰えるため、散歩させる際は十分な注意が必要です。
以下では、老犬の散歩で押さえておくべき5つのポイントを解説します。
散歩前にウォーミングアップをする
老犬を散歩させる際は、事前にウォーミングアップをおこなうのがポイント。
犬は年齢とともに運動量が減ったり、寝ている時間が増えたりします。
そのため、起床時や運動前に関節のこわばりが生じることもあるでしょう。
急に体を動かすと心臓や関節に負担がかかるので、散歩の前に屈伸運動を兼ねたマッサージをおこなうと良いです。
筋肉をほぐすことで、散歩時の転倒やけがの防止につながります。
- 犬の足首を軽く持つ
- 関節を優しく曲げ伸ばしする
- 片足5回程度を目安におこなう
- 指の腹を使って肉球部分をほぐす
マッサージのときに痛がる様子が見られたら、すぐに中断してください。
無理に散歩をせず、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
天候や気温に配慮する
老犬を散歩させる際は、天候や気温に配慮することがポイント。
雨や雪、風が強い日など、悪天候の場合は無理に散歩させる必要はありません。
とはいえ、運動不足にならないように室内ではできるだけ遊ばせたいところです。
そのようなときは室内用のアジリティーを活用したり、知育玩具を使って遊ばせたりすると良いでしょう。
また、年齢とともに体温調整の機能が衰えるため、真夏は早朝、冬場は日中に散歩へ行きます。
防寒対策として洋服を着させたり、肉球を守るために靴や靴下を履かせたりするのもおすすめです。
負担の少ないコースや時間帯を選ぶ
老犬を散歩させる際は、負担の少ないコースや時間帯を選ぶのがポイント。
階段や急な坂道は、体力が衰えがちな老犬にとって大きな負担となります。
特に肥満の犬や関節トラブルを抱えやすい大型犬の場合は、注意が必要です。
気分転換や脳の活性化のために散歩コースを変えてみるのは良いことですが、なるべく平たんな道を選んで歩かせるようにしましょう。
また、老犬はストレスを感じやすい傾向にあるので、通勤通学などで人通りが多い時間帯は避けるのがおすすめです。
愛犬がのんびりと散歩を楽しめるように、緩やかなコースや騒がしくない時間帯を選んであげましょう。
愛犬のペースに合わせる
老犬を散歩させる際は、愛犬のペースに合わせることがポイント。
年齢を重ねると足腰が弱ってくるため、歩く速度が落ちたり、途中で立ち止まったりすることが増えます。
歩くスピードを愛犬に合わせるのはもちろん、途中で疲れた様子が見られたら公園などで休憩を挟むと良いでしょう。
リードを引っ張って強引に歩かせると、散歩自体を嫌がってしまう可能性があります。
愛犬の様子をしっかりと観察し、無理をさせないことが大切です。
必要な持ち物を準備しておく
老犬を散歩させる際は、必要な持ち物を準備しておくことがポイント。
老犬になると若いころに比べて腎機能や新陳代謝が低下し、喉が渇きやすくなってきます。
いつでも水分を補給できるように、携帯用の給水ボトルは必須です。
飲み水は熱中症を防ぐだけでなく、散歩時のマナーとして排泄した場所に水をかける際にも役立ちます。
持病がある犬の場合は、病院で処方された痛み止め薬をバッグの中に入れておくと安心です。
補助が必要な老犬の散歩はどうする?
足腰が弱ってくると、歩行中に転倒する恐れがあります。
歩いていて犬がふらつく場合は、首輪からハーネスに変更して体の広範囲を支えてあげましょう。
また、自力で立つことができなくても、補助してあげることで歩ける場合があります。
少しでも歩けるのであれば、短時間でも外に連れ出してあげると気分転換やストレス発散になるでしょう。
ただし、ちょっとした段差でもつまずく恐れがあるので、できるだけ歩きやすい道を選ぶことが大切です。
歩行をサポートするために、ウォーキングベルトで後ろ足を支えてあげるのも1つの方法です。
どうしても歩けない場合や立ち上がれない場合は、犬用カートも検討してみてください。
老犬が散歩に行きたがらないときの対処法
「そもそも愛犬が散歩に行きたがらない」と悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。
老犬になると散歩への関心が薄れ、寝ていることが増えてきます。
体調に異変がないかをチェックして何も問題がなければ、フードやおやつで外へ誘い出してみると良いです。
一方で、散歩に行きたがらない原因として、体の痛みや病気が隠れている可能性もあります。
老犬を散歩させたあとは健康チェック
老犬を散歩させたあとは、体に異常がないかチェックすることが大切です。
地面にはプラスチックやガラスの破片、とがった石など、危険なものが落ちている可能性があります。
足の裏が傷ついていないか、炎症を起こしていないか、忘れずにチェックしましょう。
それだけでなく、疲れた様子はないか、関節を痛めていないかなども確認します。
散歩後は水分補給も必須だワン。
老犬の散歩時間は10分が目安!無理のない範囲で!
散歩は、老犬になっても健康や筋力を維持するために必要なことです。
体を動かすことで、気分転換やストレス発散にもつながります。
散歩時間は1回10分程度を目安とし、無理のない範囲でおこないましょう。
- 散歩前にウォーミングアップをする
- 天候や気温に配慮する
- 負担の少ないコースや時間を選ぶ
- 愛犬のペースに合わせる
- 必要な持ち物を準備しておく
これらのポイントを押さえつつ、愛犬が楽しいと思えるような散歩を心がけることが大切です。